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「お役に立てるなら...」のゆるいつながり‐愛犬がつないだ近所のご縁‐

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犬を飼っている人なら分かると思いますが、一日に2回ほど、決まった時間帯にお散歩に行くという習慣がついてきます。同じ時間帯に散歩に行く人たちとは犬を通じて友達になるということが多々あり、「わんこ仲間」になります。私の両親も、そんな仲間の一人でした。

最初は「こんにちは」という挨拶からはじまり、次第に「このあたりにお住まいですか?」「あそこに素敵な喫茶店ができましたね」などと、一言、二言声をかけ合うようになります。

そのうちに、春になれば犬を連れていつもの公園でお花見をしたり、散歩の途中で「今からそこの喫茶店に行くのですが、ご一緒にどうですか?」などと誘って、長々とお茶を楽しんだり。同じ時間にウォーキングをしているおじさんとも挨拶を交わし、なんと犬を飼っていないおじさんも仲間入り!おじさんも近所づきあいをしたかったそうで、「犬も歩けば棒に当たるというけれど、散歩を始めてよかったよ」とおっしゃっていました。

犯人探しをやめてみんなで公園掃除

ある日、仲間との会話の中で、「最近、犬の落とし物(糞)を拾っていかない飼い主がいるようだ」という話題が持ち上がり、犯人を見つけて注意をしようか、看板を立てようかと会議になりました。

しかし、その人(犯人)もきっとご近所の人。できればよい近所づきあいをしていきたいものだということで、採用されたアイディアが「公園掃除」です。

いつもきれいにしていれば、汚すのが心苦しくなるのが人の常。レストランのトイレなどにも時々、「きれいに使ってくれてありがとうございます」と書かれていますが、「汚さないでください」と言われるより気分が良いものです。

みんな地域の役に立ちたいと思っているのかも

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最初は仲良しの犬仲間と3人で始めたのですが、その様子を見ていた他の仲間が1人、また1人と加わり、最終的には10人ぐらいのサークルになりました。誰が誘ったわけでもありませんが、誰かの役に立ちたいと考えている人は多いようで、「お手伝いしてもいいですか?」と知らない人から自発的に声がかかるようになったのだとか。

中には「役所に行けばゴミ袋をもらえるようですよ」などと情報をくれる人がでてきたり、「お掃除仲間募集中」などというチラシを作る人がでてきたり、活動は少しずつ広がっていきました。

気軽に参加できるきっかけがあれば、地域の役に立ちたいと思っている人が多いということは、嬉しい発見です。

犬がつないでくれたご縁は今でも続く

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母は、愛犬が亡くなってしまってからは掃除の会には参加しなくなりましたが、自分たちが直面した問題をポジティブな方法で解決したこともあり、仲間同士の連帯感も強まったようで、犬がいなくなった今でも緩やかで楽しいお付き合いは続いています。

近所の人がみんなでお掃除をする様子はとても微笑ましく、地域交流の一環になっていたのだなあと思い出しました。今のマンションは残念ながらペット禁止なのですが、自分自身も犬猫が大好きなので、犬猫の保護の活動やチャリティ活動などに参加してみようと思っています。


投稿者(埼玉地域活動レポーター2019):大阪府在住、30代男性