ホーム > 埼玉人生100年時代の楽しみ方研究所 > 「仲間がいるから、復活できた!」趣味で出会った仲間のいる生活
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現在75歳の母が、大学のオープンカレッジの社交ダンス講座に通い始めたのは、5年程前でした。
「以前習っていた社交ダンスを、もう一度やってみたい」と、受講を始めたのです。
ところが2年目の秋に膝を痛めてしまい、踊ることができなくなってしまいました。中級クラスで、踊っていた母でしたが、翌年の受講を断念せざるを得なかったのです。
ダンス仲間もでき、とても楽しく参加していたのを知っていた私は、相当落胆しているのでは危惧していたのですが、そんな私の思いとは裏腹に、「治ったら復活する約束をお友達としているから大丈夫」と、涼しい顔をして言うのです。
この時私は、復帰を待ってくれる仲間がいる母を羨ましく感じたことを、鮮明に覚えています。
そして、早い復活を願いました。
しかし母の膝は、少し良くなったからとウォーキングをして悪化、また良くなったと思ってちょっと無理をしてまた悪くなる......という状況が続きました。
母も「早く治したい」と焦るあまり、少し良くなると、鍛えようとして無理をしていたように思います。
そんな状態を繰り返してきたことで、復帰することに二の足を踏んだのか、ダンスのことを話す機会が減っていきました。
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そんな母が昨年、「膝が治ったら復活する」という、友人との約束を果しました。
ある日、その友人から「そろそろ戻っておいでよ」という、電話があったのです。その声に後押しされ、完治とは行かないまでも、無理をし過ぎなければ!と復活したのでした。
その電話がなければ、復帰など考えていなかったかもしれません。
この原動力は、やはり待っていてくれる仲間がいたからこそ。
私は、そんな仲間のいる母を、やっぱり羨ましく思います。
継続の秘訣は、仲間を見つけること
復帰直後に、同じクラスを受講し始めた男性が踊らないのを見て、「踊らないのですか?」と母が声をかけたところ、「このクラスは初めてで、どう動いて良いか分からない」とのこと。
すると母は、「先生、私も3年ぶりで忘れてしまったので、ゆっくり教えてもらっていいですか?」と講師に伝え、2人でゆっくり教わったのだとか。
「その男性は、その後も欠かさず出席していたわよ」と、ちょっと嬉しそうに話してくれました。
私自身も、ジムに通ってみたり、英会話を始めてみたりしましたが、続かないことが多かったのです。継続されている方にお話を聞くと、皆口をそろえて「仲間を見つけることが、続ける秘訣」とおっしゃいます。
仲間を作るコツがあるのかもと母に聞いてみたところ、「仲間を作ろうと意識しているわけではないのだけれど、こちらから挨拶をしたり、近くの人に声を掛けたりしていると自然に仲間ができていたのよね」とのこと。
確かに私には、体を動かす、学ぶといった事しか考えておらず、仲間を見つける意識は全くありませんでした。
自分から、ちょっと声を掛けたことで、いつの間にか仲間ができたという母に、仲間という存在の大切さを教わりました。
最近はヨガや体操クラスなども公民館やスポーツジムなどでも行われていて、気軽に参加できるようです。これから何か活動をするときには、仲間を作ることを、意識したいと思います。
75歳となった母は、とにかく多趣味。
俳句、書道、サーキットトレーニングジム、大学のオープンカレッジでは「ボールルームダンス」いわゆる、社交ダンスを受講しています。
一度始めたら、長く続ける事がモットーの母で、俳句に至っては10年程続いており、会の役員を引き受けるまでになるほど。
書道は3年ですが、書道検定を受けようと張り切っているようです。
毎週土曜日の午後、母は大学へと向かいます。
踊る楽しみ。仲間と過ごす楽しみ。
そして、現役大学生の、若い男の子と踊る楽しみを抱きながら。
投稿者(埼玉地域活動レポーター2019):春日部市在住、50代女性