ホーム > 埼玉人生100年時代の楽しみ方研究所 > 居心地のよい場所、ちょうどいい距離感の仲間で楽しみをつくる!お客がイベントを企画して楽しめる定食屋「佐藤家の食卓」
2005年に西荻窪でオープンして以来、地元の人から愛されている「佐藤家の食卓」。「心と体に優しい料理がコンセプト」という店主の佐藤さんの作る定食は、野菜がたっぷりとれる菜食メニューが中心です。
体に良いのはもちろんのこと、「心」も満たしてくれるところが、他の定食屋との違いです。
― ひとりで来ても、佐藤さんという話し相手がいる
― 他のお客様とも話しやすい雰囲気がある
というように、「人との交流」を求めて来店されるお客様も多く、一人で食事をする人にとってはまさに家庭のような存在なのかもしれません。
自身が話し相手になるだけでなく、お客様同士の接点を見出して、関係をつなぐことも意識して行っているという佐藤さん。一人、また一人とその輪は広がり、店主がいなくても、お客様同士で盛り上がることができるようになったそうです。
佐藤家の食卓では様々なイベントが行われているのですが、はじめてのイベントはお客様のリクエストで開催されたクリスマスパーティー。
このパーティーが大成功に終わり、「次は何のイベントにしようか」と、お客様が次々とアイディアを出してくれるようになり、忘年会や新年会はもちろん、バレンタインにはチョコレートフォンデュパーティー、ピアノコンサートは誕生日会なども開かれます。また、春はたけのこ祭り、夏はうなぎ、秋は松茸、冬には鍋をと、四季折々の味わいを皆で楽しんでいるのだそうです。
お店で仲良くなった人たちの交流は店の中に留まりません。
花見や祭り、美術館や山登りなどに出かけたり、麻雀やカラオケなどを楽しんだりすることもあるのだそうで、特に年配の方にとっては、友達と楽しく過ごせる貴重な場所となっています。
「定年後は余裕ができる一方で、限りのある時間。これをいかに有意義に、そして良い仲間と楽しく過ごすことができるかはとても重要なことだと思います。そういう方にとって、居心地のよい、そしてちょっとしたワガママをきいてくれる場所でありたいと願っていますし、遠方の方は、そういう場所をぜひ近くで探してみてほしいと願います。」
という佐藤さん。
自分が楽しんでいることを誰かに教えてあげる。そんな「少しのボランティア精神」をもっていれば、楽しみは倍増するでしょう。
「佐藤家の食卓」では、イベントを企画するのはもっぱらお客様とのこと。「小規模で、試しにこんなこと出来ないかな」と考えていることがあれば、行きつけの喫茶店やよく顔を出す個人経営のレストランなど、場所を使わせてもらえるかもしれません。
行きつけの店が特にないという人は、意識的に新しい店に入ってみるのもよいでしょう。足を運ぶお店はいつも決まったところになりがちですが、改めて見回してみると、まだ行ったことがないお店は地元にもたくさんあるものです。
イベントを企画したり運営したりするのは女性が多いようですが、男性ならではの視点やアイディアを出してみれば、「自分も参加したい!」と賛同する男性はたくさんいるはずです!気の合った人だけで楽しめるような小規模のものこそ、求められているかもしれません。
新しいことを始めるのに年齢は関係ありません。一度きりの人生、楽しまなければ損!
自分がやってみたいこと、実はやってみたかったこと、楽しみたい事を中心に、ぜひ第一歩を踏み出してみてください。
行きつけにしたい店や場所がどうしても見つからないという場合は、自治体などが管理している公共スペースも視野に入れてみませんか。「一般市民は使えない」という印象のあるスペースでも、手続き不要、または簡単な手続きで使える場所もあります。例えば、市民活動サポートセンターの交流スペースや、公民館。自治体に相談してみてみるのも一つの手です。行政は、住民の地域参加を応援しています。
他にも、最近では高齢者福祉施設が地域の方向けに地域交流スペースを開放していることもあります。
是非探してみてください。
お気に入りのお菓子を持ち寄って楽しむお茶会、先生を招いて英会話を学ぶ会など、やってみたいこと、日々やっていることなど何でもよいのです。
「わたしがやっていることを誰かと一緒にしてみたい」
「自分にも企画してみたいことがあった!あのお店ならできるかな?」
「スペースさえ見つかれば自分にもできるかも?」
などと思いついた方は、「実験的」に始めてみるのもよいですね!
【取材協力】オーナー佐藤芳男さん
投稿者(埼玉地域活動レポーター2019):東京都在住、30代男性